
電気設備には必ずと言っていいほど設置されている 漏電遮断器(ELB:Earth Leakage Circuit Breaker) と 配線用遮断器(MCCB:Molded Case Circuit Breaker)。
パッと見の似ていますが、守る対象・動作原理・選定基準・設置目的が違う ということをご存じでしょうか。
この記事では、初心者でも理解できるように 図解レベルで解説します。

電気設備に必ずと言っていいほど取り付けられている機器だよ
漏電遮断器と配線用遮断器の違い(結論)
| 項目 | 配線用遮断器(MCCB) | 漏電遮断器(ELCB) |
|---|---|---|
| 主保護対象 | 設備・配線 | 人命・火災 |
| 動作原因 | 過電流・短絡 | 漏電(地絡) |
| 主な用途 | 機器保護 | 感電防止・漏電火災防止 |
| 動作設定 | なし | 15mA〜500mA |
配線用遮断器(MCCB)とは?

引用元:三菱電機FA 低圧遮断器(MCCB)ラインアップ
配線用遮断器 シリーズ・ラインアップ 低圧遮断器 | 製品情報 | 三菱電機FA
MCCBの役割
MCCBは、電気を遮断や投入させたり手動スイッチの役割や、過電流や短絡から配線や機器を守るために自動で遮断する目的の機器です。現場では「MCCB」や「MCB」と呼んだりします。
MCCBが動作する原因
- 過負荷(許容電流以上)
- 短絡(ショート)
MCCBの動作原理
MCCBの過電流の引き外し方式により主に三種類あります。
(過電流引外し原理はELCBも同様です。漏電検出の有無)
① 熱動-電磁方式
- 時延引外し:過電流が流れるとバイメタルが温度上昇で曲がり遮断(ブレーカ定格の10倍程度まで)
- 瞬時引外し:大電流が流れると電磁石でプランジャを吸着し瞬時に自動遮断
- 安価なため最もよく現場で使用されている。モーターなど小負荷はほとんどこの方式が多い印象です。
- 三菱電機製でいうと型式にCVやSWが付くとこのタイプが多いようです(例外あり)
② 完全電磁式
- 時延、瞬時ともに電磁石で遮断する。
- 制動スプリングの働きで時延動作をする。
- バイメタルを使わないので周囲温度による誤作動しにくい。ただし電磁力は急激に変化するため緩やかな動作設定が難しい。
③電子式
- CTと電子回路の組み合わせにより電流の大きさを検出し、CPU判断にてトリップさせる
- 高価であり中~大容量の遮断器で主流
- 三菱電機製でいうと型式にEが付くとこのタイプが多いようです
漏電遮断器(ELB)とは?

引用元:三菱電機FA公式サイトの漏電遮断器ページ
漏電遮断器 シリーズ・ラインアップ 低圧遮断器 | 製品情報 | 三菱電機FA
漏電遮断器(ELCB)の役割
電気配線や機器の絶縁が劣化して電気が外へ漏れる「漏電」を検知し電源を遮断し、感電や火災を防ぐ機器です。
漏電が起きたまま使用すると、人体が電気の通り道となる感電事故や、建物内部で発熱が起こる漏電火災につながる危険があります。
漏電遮断器(ELCB)の動作原理
漏電遮断器は、行きと帰りの電流の差を監視し、異常を検知すると瞬時に回路を遮断します。ELCB は機器側でしっかり接地をしていないとと正常に動作しないので注意が必要です!
感度電流・動作時間の種類
一見すると配線用遮断器(MCCB)と似ていますがリセットボタンや感度電流動作時間などのスイッチやボタンがあるのが特徴です。
・人の感電を予防する目的の場合は高感度高速型(30mA・0.1秒)を使用する場合が多いです。
・火災などを予防する目的の場合は中感度や低感度で時延型(動作時間が調整可能なものです)で上位のブレーカなどと動作協調を確認しながら設定することが多いです。
※保護協調とは:事故回路だけを切り離して他の健全回路へ影響が限りなく小さくなるよう調整のこと
取り扱い上の注意点
テストボタンとリセットボタン間違い
テストボタンというリセットボタンと似ているボタンもあり、間違ってテストボタンを押してしまうと漏電遮断テストをすることになってしまし押した瞬間に電源が遮断されてしまったというミスがよくあるので、この記事を読んでいる方はそういうことがないように注意してくださいね。
あとはアラーム表示ランプとリセットボタンが一緒になっている表示付きスイッチのものもあり、リセットボタンがない!ということになる可能性もあります。実は私自身が知らずに焦って取扱説明書を探して理解できたという経験もあります・・
三極ブレーカの単相取り出し時の接続間違い
漏電遮断器左右の極から漏電検出回路が取り出されています。
取扱説明書にも記載されている正式に三極のブレーカーから単相を取り出すこと方法があるですが、この時に注意する点として間違って真ん中と左もしくは右の端子を使用していることを時々見かけます。これは漏電を検出する回路に接続されていないため漏電があってもトリップしないというかなりまずい現象になりますので、必ず左右の極を使用するようにしましょう。
漏電遮断器の逆接続
一般的な漏電遮断器は二次側から漏電検出回路を取り出ししており、漏電遮断した瞬間に二次側の漏電検出回路も遮断される構造になっていますが、間違って漏電遮断器二次側に一次側の配線を接続し漏電検出しても漏電検出回路に電圧印加され続け焼損恐れがあります。
最近は太陽光発電などの導入も進んでいますが、漏電遮断器を逆接続する場合は逆接続可能型品を使用しなければならない点に注意が必要です。逆接続可能型品は漏電検出回路にもスイッチが付いており、漏電検出時に電圧印加され続けることがないようにしている商品です。
以上、漏電遮断器(ELB)と配線用遮断器(MCB)でした!
まだまだ遮断器は奥深いので、また追加情報など随時アップしてきたいと思います。
